キングダム【92点】

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合計 ストーリー キャラクター 世界観 読みやすさ
92 9 9 10 9 10
意外性 臨場感or迫力 お薦め度 全体性 面白さ
8 10 9 8 10

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書評

 舞台は中国、時代は春秋戦国時代。国が乱れ戦争が続くこの時代に一人の少年が誕生する。その名は信(シン)。彼は身分の低い下僕の生まれだが親友の漂(ヒョウ)とともに天下の大将軍になるという夢を抱き成長していく。しかし漂はある人物の身代わりとなって突然命を落としてしまう。その身代わりとなった人物の名は政(セイ)、後の秦の始皇帝である。政に出会ったことで信の未来は大きく動き始める。政の目指す「中華統一」という無謀すぎる目標へ共に歩み始めるのだ。漂の夢は信に託され、信の夢は政とともに歩む道の先にある。
 このマンガをただの立身出世歴史マンガとして見てはいけない。7つの国が生き残りをかけて争う激動を生きる人間たちの鼓動が確かに伝わってくる。時代を生きるために全てをかけた人間たちが今あなたの目の前にあらわれる。友情、恋愛、家族、忠誠、使命、責任、これらの要素が全てここに詰め込まれている。この作品を読むと現代を生きる私たちが忘れている熱いものが心の底からこみ上げてくる。閉塞感が漂う今の日本を救うのは書店に並ぶ自己啓発本ではなくこのキングダムである。

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評価点数の詳細を読む(ネタバレを含みます)

徹底評価

絵  9点

戦国バトルらしい重厚な絵。
建物や背景などの書き込みも週刊連載とは思えないレベルで、巻を重ねるにつれて安定している。

ストーリー  9点

史実があるためにある程度それに沿った進行なのに引き込まれる。
単純な中華統一ではなく、その時代に生きた男たちのロマンをしっかり描いている。

キャラクター  10点

戦場で猛威をふるうという一言で片づけることもできる武将という存在を、個性あふれるキャラクターに仕上げている。
どのキャラクターも魅力をうまく引き出しており、丁寧にそして簡潔な描写が好印象。

世界観  9点

中国の歴史ものというありきたりなテーマを新しい世界観に落とし込んでいる。
中華統一というものがいかに壮大なものかというところに引き込まれる。

読みやすさ  10点

絵・ストーリー・世界観がうまく融合することによって、旨味が強いのにのどごしが良いといった不思議な味わいに仕上がっている。
どこを読んでも同じペースで読める数少ないマンガである。

意外性  8点

良い意味で裏切られ、良い意味で予想通りといった展開。
史実である以上、結末が分かってしまっているのでわずかに減点。

臨場感or迫力  10点

戦闘シーンの迫力は素晴らしい。
大群の書き込み、大群の中の戦闘シーン、そして一騎打ちとどれをとっても見ごたえがある。

お薦め度  9点

戦国バトルものと言えば間違いなくこのマンガである。
読まないわけにはいかないだろう。女性にはやや不向きかと思い満点にはしなかった。

全体性  8点

分かりやすいストーリーに人間ドラマと成り上がりストーリが融合し、新しい戦国マンガが誕生した。
マンガとして引き締まってまとまっているが、長編すぎる展開が見えるのでやや減点。

面白さ  10点

面白さは文句なし。全てのパラメータで高得点をたたき出す無敵のマンガである。
懸念があるとすれば、この勢いを維持したまま中華統一までのストーリーをうまく収束させられるかどうかだけである。

合計  92点

 圧倒的な実力によって圧倒的な人気になったマンガである。身分の低い人間が努力し、仲間に助けられ成長していくといった少年漫画の王道と、王族に生まれながら劣勢の立場に立たされるも、ゆるぎない信念と政治力で道を歩んでいくという二つの世界を見せてもらえる。
 間違いなくマンガ史に残る名作なのだが、これだけ高評価だからこそ最後までこのまま書ききってもらいたい。回想シーン・修行シーン・寄り道など不必要なものを描かずに、どれくらいの巻数で完結するのかが見ものである。

個人的な見所

 騰(とう)将軍の圧倒的存在感が個人的な見所。個人の武力・知力はもとより、カリスマ性や主人公のサポート、そしてマンガ内での解説役という立場といった、戦場以上にわれわれの目の前を駆け回ってくれる。完全にヨーロッパの騎士のいでたちというアンバランスさがおもしろい。
 もしこの武将が討たれてしまったら、横山光輝の三国志で関羽が死んだとき以上の悲しみに襲われるだろう。

 

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